カリフォルニア州マンモスマウンテン……アメリカでも屈指の大きさを誇るスノーリゾートで毎年行われているVOLCOM PEANUTS BUTTER & RAIL JAM(略、PBRJ)。雲ひとつない快晴、眩しいくらいの日差しが差し込む最高の天気の中、大会はおこなわれた。今年も世界中のPBRJの大会を勝ち上がった猛者たちが、マンモスマウンテンに集まっていた。この大会は世界中のチャンピオンたちの中から真の勝者を決めるチャンピオンシップだ。
今回は日本大会を勝ち抜いた3名による参戦レポートをしようと思う。
雲ひとつない青空の下、今年のアイテムが並ぶ。ここで今年のチャンピオンが決まる
今年のセクションは、ZONE 1にWall&Down Rail&Triple Down Box、Zone 2にTriple Down Rail、Zone 3にDonkey Rail&Flat Down Box with Ledgeの全3ゾーンから構成された。シンプルなアイテムながらライダーの想像力と確かなスキルが試されるアイテムだ。今年のジャッジには、VOLCOMライダーのダン・ブリーズも登場。他にもアレックス・ロペス、マイク・ラブなどのライダーたちも遊びに来ていた。
公開練習では全カテゴリーが同時に行われ、レベルの高さに目を見張るほど。Under 15のキッズが果敢にトランスファーにトライしたり、ガールズがスピンアウトしたり、とにかく公開練習から全力でプッシュ。日本勢も周りの雰囲気を感じながら徐々にアイテムをこなしていた。大会前緊張が見られた日本人ライダーたちも、公開練習が終わる頃には気持ちがのってきたようだ。
公開練習は全クラス同時に行われる。フルハイクなので体力も必要
最初に行われたのはUnder 15の予選から。ここには日本人から米野舜士がエントリー。このクラスの特徴は成長期ということで体格差が物凄い。小学生くらいのライダーから170cmは十分にあるような中学生ライダーまでが入り混じっている。小さな体からもハイレベルなトリックがどんどん繰り出される。緊張がとけた舜士もどんどんアイテムにトライ。初めてのアメリカの大会での雰囲気にのまれることもなく、トリックをメイクしていった。決勝に臨む前、「攻めます」と語った舜士は予選では出さなかったトリックにもトライ。最後の最後に他のキッズライダーが誰もトライしていないトリプルダウンでのCAB270in全抜きをメイクしたが、表彰台に上ることは出来なかった。
Under 15にエントリーした米野瞬士。初めての大会ながら物怖じせず攻め続けた
決勝の最後の最後でCAB270inをメイクした舜士、メイクした瞬間には思わずガッツポーズも
Over 16クラスは日本からの参加はなかった。しかし、このクラスには将来有望な若いアマチュアライダーたちがたくさん参加していた。上のクラス同等のトリックがどんどん飛び出してくる。予選からハイレベルな戦いだったが、決勝もオープンクラスと遜色ないレベルできっと彼らのうち何人か将来のムービースターが出てくるに違いない。
ガールズクラスは、石打大会でスポンサーライダーたちを抑えて優勝を果たした平山佳菜が出場。本戦前から緊張が見えたが予選から徐々に調子を上げてきた。トリプルダウンレイルでバックサイドテイルスライドの全抜きにもトライ。ZONE 1とZONE3のアイテム間にはステアがあり、ハードコアな設定だったが、ドンキーレイルやダウンレイルでもスムースな乗れっぷりだった。決勝では、他の参加者のレベルも一気に跳ね上がる。ガールズライダーの中でも、ワンフットでトリプルダウンレイルのボードスライドで抜いた際は一際大きい歓声が上がっていた。
ガールズクラスエントリーの平山佳菜。緊張も見えたが、決勝ではこの雰囲気を楽しんでいた
トリプルダウンでのボードスライドに果敢にトライする佳奈
オープンクラスでは、予選が2ヒートに分かれて行われた。どの参加者が勝ち上がってもおかしくないハイレベルな戦いだった。予選Bヒートに出場した中山裕太は、フロントサイドボードスライドで自分のスタイルを出していたが、ドンキーレイルでリズムを崩したかうまくリズムに乗れず惜しくも決勝には上がれなかった。オープン決勝は、ZONE 2のトリプルダウンレイルでトランスファーの出し合いに。270inが出たかと思えば、BS360インでビタビタにレイルに合わせてくるライダーも。派手なトリックが飛び出すたびに会場は大盛り上がり。その中でも優勝したベニー・ミラムは各アイテムで高難度なトリックをメイクした上でトリプルダウンでのトランスファーもメイクしていた。
オープンクラスエントリーの中山裕太。自分のスタイルを貫いた滑りをみせた
バックサイドボードスライドがっちりロックして抜く裕太。魅せ方をわかっている形だ
会場には各大会を勝ち上がった猛者や観戦に遊びにきた人たちで盛り上がった
大会後にはVOLCOM本社を見学。会社内のスケートパークに大興奮
Photos & Text by Akira Onozuka (DEZZERT MAGAZINE)