1/29(木) – 2/8(日)に渡り、ハワイのノースショアにあるパイプラインを会場に開催されたWSL QS3000 ”VOLCOM PIPE PRO 2015”
この世界的ビッグイベントに合わせ、2014年グランドチャンプに輝いたVOLCOMサーフチーム辻裕次郎を筆頭に、田嶋鉄兵、加藤嵐、VOLCOM HOUSEで毎年しのぎを削る村上舜、佐藤魁に加え、ハワイに拠点を置く最年少VOLCOMサーフチーム脇田泰地といったVOLCOM JAPANチームの面々が冬のノースショアに終結を果たした。
-VOLCOM PIPE PRO 2015-
VOLCOM PIPE PRO 2015に出場を果たしたのは村上舜と加藤嵐。
今大会に出場を果たすために2014年シーズンは世界のQSコンテストを転戦してポイントを稼いで出場権を得た村上舜に対し、欠場選手が出た時に順番待ちで出場権を得るオートネにより今回初出場を果たした加藤嵐は、ラウンド2のヒート1でEzekiel Lau(HAW)、Kalani David(HAW)、Eala Stewart(HAW)といった強烈なハワイアン・ロコボーイ3名と対戦。
非常に波取りが難しいシチュエーションのなか、レギュラー方向にブレイクするバックドアに狙いを絞り、見事2本のバックドア・チューブをメイク!
しかし、Ezekiel LauとKalani Davidの2名を追撃するまでには至らず、惜しくもこのラウンドで敗退となった。
一方の村上舜はラウンド2のヒート2に出場。
ここではブラジリアン・プロサーファーのHizunome Bettero(BRA)が8.93ptのハイスコアをマークするも、得意とするパイプラインでのチューブをしっかりとメイクし、ローカルボーイのMakai McNamara(HAW)とフランスのAdrian Toyon(FRA)を抑えてラウンドアップ!
迎えたラウンド3のヒート4では、WCTサーファーでハワイアンのFred Patacchia(HAW)とJohn John Florenceの弟に当たるNathan Florence(HAW)に加えJean Da Silva(BRA)を相手に苦戦を強いられるなか、なんと10ft近いパイプラインの特大セットを掴んで会場から大歓声が上がるほどの深いチューブをメイクし、このヒートでハイエストスコアとなる9.27ptをマーク!!
WCTサーファーFred Patacchiaを下してラウンド4へと駒を進めたうえ、この村上の9.27ptはVOLCOM PIPE PRO 2015オフィシャルサイトをはじめ、オーストラリアのStab magazineなど多くの海外メディアにも取り上げられるという快挙を成し遂げた!
まさに村上舜がここ数年間VOLCOM HOUSEで重ねてきた努力が形となった瞬間であった。
そんな村上舜はクォーターファイナル進出をかけたラウンド4のヒート1でKalani David、Ezekiel Lau、Gavin Gillette(HAW)と対戦。
しかし、ここでは海とのリズムが合わず、3名のハワイアン・ロコボーイズに完全にペースを掴まれ、いい波をつかむことなく惜しくも敗退。
いい波さえ掴んでしまえば、十分勝てる力を持っていることを証明した直後だっただけに、その悔しさは計り知れなかったに違いない。
しかし、今回の経験を糧に、今後さらに成長を遂げていく村上舜に注目していきたい!!
今回、VOLCOM PIPE PRO 2015にあと一歩で出場できなかった辻裕次郎と佐藤魁は、そんな村上舜の活躍を目の前に、見ているこちらにも伝わってくるほどうずうずしていたはずだが、いずれにしろ仲間でありライバルでもあるチームメイトの活躍に大きな刺激と新たな目標を得たことは間違い無いだろう。
来シーズンは出場を果たし、パイプラインで培ってきたそのスキルを存分に発揮してくれることに来たしたい!
VOLCOM PIPE PRO 2015のコンテストが開催される以外のハワイでのVOLCOM JAPANチームは予定の合う限りチームで終結し、積極的にフリーセッションを行なった。
ハワイのイーストサイドに拠点を持ちながら、現在は家族を中心とした忙しい生活を送る田嶋鉄兵も予定が許す限り数時間かけてノースショアに足を運び、切れ味鋭いサーフィンを披露。
スピーディーかつスタイリッシュなそのサーフィンはいまだ健在である。
今回はその実力が認められ、VOLCOM HOUSEにおいて最上級クラスのライダーに与えられる3階の部屋をあてがわれるまでに至った辻裕次郎も、コンテスト出場できなかったそのうっぷんを晴らすかのような素晴らしいパフォーマンスを連発!
パイプラインはもちろん、その隣にある強烈なサンドバーをはじめフリーセッションにおいては多くの見せ場を作ってくれた。
VOLCOM PIPE PRO 2015における自分のヒートが終了してすぐに第二の故郷であるオーストラリアへと飛ぶべく、一足先にハワイを後にした加藤嵐。昨シーズンに痛めてしまった右足首の怪我を騙し騙しにコンテスト出場を重ねるのは決して楽なことではないが、ここ数年間オーストラリアで積み重ねてきたワールドクラスのコーチングによるトレーニングの成果をいつか爆発的に発揮する日が来るに違いない。
今回のVOLCOM PIPE PRO 2015で一皮向けた感溢れる村上舜だが、やはり本人としてはその結果に納得がいかなかった様子で、負けた後も自分の欠点として見出したバックドアでのバックサイドチューブを克服するべく、身の危険を顧みない激しいチャージを繰り返す姿が印象的だった。
今回は同じ年で最大のライバルでもある村上舜が活躍するなか、当の本人はVOLCOM PIPE PRO 2015に出場できずその胸中は本当に悔しかったに違いない佐藤魁。
そんなことを周りに気付かれまいと、できる限り平静を装ってはいたが、一度海に入ればその闘争心をむき出しにするような激しいチャージとアクションを見せつけてくれた。
世界に認められる日本人パイプライナーであり、ビッグウェイバーでもある脇田貴之プロの実の息子である脇田泰地は、まだ15歳という若さでありながら、父譲りのその謙虚な姿勢で神聖なるパイプラインにフォーカス。パイプラインでのサーフィンはもちろん、自宅前のフレディーランドでのアクションにおいてもその急成長ぶりには目を見張るものがあり、今後日本を背負い世界に通用するサーファーとなり売るその天性の才能を感じずにいられなかった。
そんな脇田泰地の妹にあたり、ハワイのアマチュア・コンテストではすでに大活躍を果たしている脇田サラも、今回のHAWAIIで正式にVOLCOMライダーとして契約を結ぶこととなった。学校があることからフリーセッションに参加できる時間は限られていたが、時間が合えば大きな波でもしっかりとしたレールワークをみせ、ルックス、実力を共に兼ね備えた数十年に一度の逸材であることを感じずに入られない素晴らしいサーフィンを連発してくれた。
今後のさらなる活躍と成長に期待大!!
こうして昨年以上にパワーアップを果たしている2015年度のVOLCOM JAPANチーム。
それぞれがそれぞれの目標を持ち、確実にステップアップしていることを痛感することができたVolcom Japan Team in Hawaii 2015となった。
Photos & Text by colorsmagyoge
Movie by JapanGoose